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2008年6月20日金曜日

外傷後ストレス障害とはどんな病気?

たとえば、うっかり包丁で指を切ったとします。しばらくの間は、包丁を見ると、指を切った瞬間の情景や痛みを思い出すでしょうし、傷が深く、痛みが強いほど、包丁に対する嫌悪感は増し、中にはしばらく包丁が持てない人もいるでしょう。

これは軽い「トラウマ」(心理的な外傷)現象で、いずれ消えてなくなり、また抵抗なく包丁が持てるようになります。

しかし、生死にかかわるような災害、テロ、戦争、事故などに遭遇する、ひどいいじめや虐待、犯罪の被害者になる、自殺、殺人などの場面を目撃するといった衝撃的な体験のあとのトラウマは、このように簡単に消え去ることはありません。そうした体験の後、悲惨な現場の生々しい情景が繰り返し浮かんでくる、悪夢を見る、というような反応が現れ、体験した出来事が悲惨なものであればあるほど、それは長く苦しいものになります。

これを総称して「外傷後ストレス障害」(PTSD)と呼びます。

また、生命の危険にさらされるような体験だけでなく、離婚、失職、親しい人の自殺などを体験したあとにうつ状態、焦燥感、喪失感、不安、イライラといったうつ症状が重なって現れるものもあります。