たとえば、うっかり包丁で指を切ったとします。しばらくの間は、包丁を見ると、指を切った瞬間の情景や痛みを思い出すでしょうし、傷が深く、痛みが強いほど、包丁に対する嫌悪感は増し、中にはしばらく包丁が持てない人もいるでしょう。
これは軽い「トラウマ」(心理的な外傷)現象で、いずれ消えてなくなり、また抵抗なく包丁が持てるようになります。
しかし、生死にかかわるような災害、テロ、戦争、事故などに遭遇する、ひどいいじめや虐待、犯罪の被害者になる、自殺、殺人などの場面を目撃するといった衝撃的な体験のあとのトラウマは、このように簡単に消え去ることはありません。そうした体験の後、悲惨な現場の生々しい情景が繰り返し浮かんでくる、悪夢を見る、というような反応が現れ、体験した出来事が悲惨なものであればあるほど、それは長く苦しいものになります。
これを総称して「外傷後ストレス障害」(PTSD)と呼びます。
また、生命の危険にさらされるような体験だけでなく、離婚、失職、親しい人の自殺などを体験したあとにうつ状態、焦燥感、喪失感、不安、イライラといったうつ症状が重なって現れるものもあります。
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2008年6月20日金曜日
症状について
生死にかかわるような強い恐怖体験の直後から「自分が自分でないような感じ」「出来事がよく思い出せない」「ちょっとしたことにビクビクしたり心臓がドキドキする」「全身に力が入らない」などといった症状が現れることがあります。
また逆に、傍から見ると、妙に元気で、高揚した精神状態になることもあります。
これは「恐怖体験をなかったことにしようとする」心の防御反応で、急性ストレス反応といいます。
この反応は数日間で消失しますが、その後、PTSDの症状が現れることがあります。
PTSDの症状には下記のようなものがあります。
■体験が繰り返し思い出される(フラッシュバック)
思い出したくないのに、何度も出来事の情景が浮かんできたり、音声となって聞こえてきたりします。
これらが繰り返し起こるため、苦痛を覚えます。
■不眠・繰り返し悪夢を見る
出来事を思い出してしまい寝付けない、恐怖体験が夢に出て目が覚める、繰り返し同じ夢を見て、恐怖を感じる。
また、犯罪やひどいいじめに遭遇した場合では、電気を消すと暗闇から加害者が現れるような気がして怖くて眠れないといった症状も現れます。
■感情がないような気がする
大変な出来事に遭遇したのに、妙に冷静で、涙も出ない。自分でも変だと思うのに、淡々としている。現実感がなくなり、目の前の情景が映画のスクリーンの中で展開されているような感覚になる。
また、集中力が低下したり怒りっぽくなることもあり、人によってはこれらの症状だけが強く現れ、一種のうつ病として、慢性的に経過することもあります。
■出来事が思い出せない(解離)
体験した出来事が強烈であればあるほど、その時の状況が思い出せない、あるいは一部を思い出せないことがあります。こうした症状は、出来事の後半年以内に起こることが多いといわれていますが、人によっては何年も経過した後(潜伏期)に現れることもあります(遅発性PTSD)。
また、子供の場合、トラウマになった出来事を、誘拐ごっこや小動物を虐待するなど、日常の遊びの中で表現することがあります。
また逆に、傍から見ると、妙に元気で、高揚した精神状態になることもあります。
これは「恐怖体験をなかったことにしようとする」心の防御反応で、急性ストレス反応といいます。
この反応は数日間で消失しますが、その後、PTSDの症状が現れることがあります。
PTSDの症状には下記のようなものがあります。
■体験が繰り返し思い出される(フラッシュバック)
思い出したくないのに、何度も出来事の情景が浮かんできたり、音声となって聞こえてきたりします。
これらが繰り返し起こるため、苦痛を覚えます。
■不眠・繰り返し悪夢を見る
出来事を思い出してしまい寝付けない、恐怖体験が夢に出て目が覚める、繰り返し同じ夢を見て、恐怖を感じる。
また、犯罪やひどいいじめに遭遇した場合では、電気を消すと暗闇から加害者が現れるような気がして怖くて眠れないといった症状も現れます。
■感情がないような気がする
大変な出来事に遭遇したのに、妙に冷静で、涙も出ない。自分でも変だと思うのに、淡々としている。現実感がなくなり、目の前の情景が映画のスクリーンの中で展開されているような感覚になる。
また、集中力が低下したり怒りっぽくなることもあり、人によってはこれらの症状だけが強く現れ、一種のうつ病として、慢性的に経過することもあります。
■出来事が思い出せない(解離)
体験した出来事が強烈であればあるほど、その時の状況が思い出せない、あるいは一部を思い出せないことがあります。こうした症状は、出来事の後半年以内に起こることが多いといわれていますが、人によっては何年も経過した後(潜伏期)に現れることもあります(遅発性PTSD)。
また、子供の場合、トラウマになった出来事を、誘拐ごっこや小動物を虐待するなど、日常の遊びの中で表現することがあります。
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